【ネタバレ】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の話
ネタバレします。注意してください。
何も振り返らずに書き殴ったよ。
『ロボトミーコーポレーション』 その2
他のところで書く時はプレゼン記事みたいなのが多いんだけど、『Lobotomy Corporation』は人に勧められないゲームだった。そもそも問題がなければ他で書いている。でも、続編の『Library Of Luina』が登場人物まるっと引き継がれる後日談だったからクリアしなきゃいけなかった。
steamストアページの作品タグにもあるように、このゲームは超がつくほどの高難易度だ。しかも『SEKIRO』みたいに「今のは自分が悪い」「次はこうしよう」とか成長に繋がるタイプではなく、理不尽に、原因不明の死が突如として襲ってくる。職員が予定外の場面で死んだ時、何かミスがあったのは確かだが、ミスの内容には一切触れられない。どこのセクションの、誰が死んだ、プレイヤーに提示される情報はそれだけ。
システムの話をする。アブノーマリティに配置された職員が取れる行動は、「勇気」「自制」「慈愛」「正義」。呼称は混ざってるかもしれないけど、主にこの四種類のどれかで、エネルギーを生成するためのアプローチをかける。職員の能力値が1~5まであって、アブノーマリティごとに、どのレベルのどの行動だと成功率が高いかが設定されている。
ここまでは情報開示で簡単に参照できる。正義3~5の成功率が高いと表示されていたなら、それに対応した能力値を持つ職員を割り当てて作業させればい。だが、あくまでこれは基本ルールだ。
ゲーム序盤で、職員を襲う原因不明の死が多発した。HPもMPも最高値を保っているのに、一日の後半でぱったりと死亡する。作業で稼いだ経験値がパー、当然その日の最初からやり直すけど、今度は別の職員が急死する。原因が分からん…って頭を抱えてたら、こいつの仕業だった。
管理方法のテキストを要約すると、「作業した職員は一定時間リジェネの効果を得るが、効果中に他のアブノーマリティに作業を行うと即死する」である。どんだけ深読みせえっちゅうんじゃい。原因が判明するまで何度も同じ一日を繰り返した。
マイナーなゲームなので、インターネットを探しても、初心者に寄り添った攻略というものは見つからない。有志による凝った攻略wikiはあるが、上記のようなアブノーマリティの情報は書かれていても「具体的にこいつはこう管理すればいい」という答えは載っていない。かなり自力でゲーム内情報を把握する必要がある。
上のこいつなんかは、クリアした今でも管理方法がよくわからない。攻略wikiのページを見ても意味不明だ、本作は日本語を解読するゲームでもある。脱走が止められなかったうえ、鎮圧するのも面倒すぎて途中から収容するのをやめた。
こいつは特性を理解していてもヤバい。「職員がこいつを作業している間に、こいつの部屋を画面に入れると脱走する」のだが、収容位置は好きに選べないから、こいつを画面に入れないようにすると他のアブノーマリティが野放しになる危険性がある。これとは別に「画面の外に出すと暴走する」やつもいて、同時に収容したら終わる。
アブノーマリティに作業をした職員は、精神的ダメージを受けてMPが減少する。正気度(SAN値)みたいなもので、ゼロになったら制御不能のパニックに陥る。脱走したアブノーマリティは放置しておくと職員を攻撃して、HPがゼロになったらもちろん死ぬ。消耗した職員を回復させながら、別の職員に交代して、脱走が起こらないよう作業を命じていくのだけど…
終盤になるとマップが広大になり、収容するアブノーマリティの数も40体くらいになる。上に載せているのより遥かに管理がややこしい上位アブノーマリティもどんどん増えてくるのだ。
これは公式から引っ張ってきた画像だけど、ここからさらにもう一段下に収容ブロックが追加される。作業の進行や脱走したアブノーマリティの襲撃はリアルタイムで行われ、プレイヤーはあちこちに目を配りながら、マウスカーソルを合わせて「作業対象、作業内容、作業する職員」を選択する。
ぶっちゃけゲーム内容は単純作業だ。プレイしながら、これは一手間違えると即死する刺身にタンポポを乗せる仕事だと思った。例えば「同じ職員を連続で割り当てると即死する」とか、「作業を一日に5回以上やると即死する」とかの特性を持つアブノーマリティが並ぶと、混乱してわけわかんなくなってくる。脱走が起こるとエネルギーが没収されるうえ、だいたい職員が死ぬため、一日が長引くほどプレイはジリ貧に陥る。
ゲームも終盤になると合計10回くらいボス戦が発生して、だいたい画面にモザイクをかけてくる。そのうえで作業表のUIをシャッフルしたり、一時停止ボタンを効かなくしたあと2倍速固定にしたり、職員の能力値を減少させてきたり(どのくらい減ってるかはモザイクで見えない)、嫌らしくプレイヤーの凡ミスを誘ってくる。
シミュレーションゲームの高難易度といえば、敵が強すぎて詰将棋みたいになるとか、要求レベルが非常に高いとか、リソース管理が難しいとか、ゲームバランスに起因するものが多いけど、『Lobotomy Corporation』の場合はUIとゲーム内説明があまりにも不便なのだ。上の画像のどこがマニュアルじゃい。そのうえで即死と詰みのラインが軽すぎる、そして後半は初見殺しのオンパレードという、「理不尽さと面倒くささの極み」みたいな方向性の難しさなのだ。アブノーマリティにはそれぞれ専用の殺害モーションがあってめちゃくちゃ凝っているのだが、その失敗を楽しむには、本作はあまりに単純作業の過程がつらすぎた。
シナリオはとても良かった。SCPオブジェクトという何故存在するかも不明なものを題材にしながらも、本作はほとんどの謎や設定をゲーム内で回収してしまう。ローグライクという繰り返すプレイもシナリオに落とし込まれている。謎が解明され、プレイヤーを取り巻くロボトミー社の真実に迫る頃には、登場するキャラクターたちや厄介なアブノーマリティも含めて本作の世界観を好きになっていることだろう。2021年だと『Inscryption』がネタバレ厳禁すぎて面白いのに迂闊に語れないゲームだったが、本作も何か言うとネタバレになるから、新エンドまで進んだゲームの画像は出しにくいし、良さを語りにくい。
…だが、何十~百時間もの時間を使ってまで読む価値が万人にあるかと言うと、ちょっとこのゲームはハードルが高すぎると思った。終盤の操作の忙しさは尋常じゃなく、腱鞘炎の痛みとの戦いでもあったが、これは腱鞘炎じゃなくてもマウスの操作で手を痛めるんじゃないだろうか。
うっかりの凡ミスで数十分の作業が泡みたいに消えるつらさとか、何時間もかけて終盤まで到達したのに収容アブノーマリティをミスったり職員の育成が足りなかったりしたせいでまた1日目からやり直すつらさと向き合えるなら、遊んでもいいかもしれない。
プレイ中はあまりのつらさから脳内麻薬がドバドバ出て謎のハイテンションを味わえるので、SCP財団が好きで仕方なかったり、賽の河原のようなシミュレーションゲーム風の拷問を味わってみたかったり、どうしても自分を抑えきれないほど本作に興味を持ってしまったのなら、プレイしてもいいかもしれない。
人に勧めることは、絶対にできない。
『ロボトミーコーポレーション』 その1
一発目から重いなこれ。
年末年始、短距離走のつもりで走りきったゲーム。このゲームとは同じ出会い方をしている人が多いと思うのだけど、元々は去年の春頃のsteamセールで見かけた『Library Of Ruina』っていうのを買うつもりだった。
画面写真が『Slay the Spire』とか『One Step From Eden』みたいな手軽に直感で遊べるゲームに似ていたから、似たようなプレイ感なんじゃないかと。で、調べてみたらこれ続編らしいよと。じゃあ前作から買うかあ、ってなったのがこの『Lobotomy Corporation』。
「SCP財団」っていうインターネット上のお遊びがある。オブジェクトと呼ばれる超常的な性質を秘めた生物や物体を管理する架空の秘密組織で、オブジェクトっていうのは世界中のみんなが考えて持ち寄ったホラ話。人間に危害を加えるかもしれない、制御が非常に困難な、出自不明理解不能のホラー存在。
それと『キャビン』っていうホラー映画を足したような設定のゲーム。『キャビン』はアベンジャーズのソーを演じているクリス・ヘムズワースが出演したホラー映画で、リア充どもがB級ホラーのお約束みたいな展開に次々と襲われるんだけど、実はその下に超ハイテクな施設があって、そこの職員がわざと「B級ホラーみたいな展開」にするために恐怖現象を操作してる、みたいな話だったはず。あんまり怖くなくて面白い。
『Lobotomy Corporation』でプレイヤーが所属するロボトミー社は、「アブノーマリティ」っていう人知を超えたホラー存在からエネルギーを作り出しているとんでもない所だ。SCPのオブジェクトを、『キャビン』みたいな施設で、一日ぶんのノルマを達成するまで管理し続ける。で、収容されてるのはヤバいやつばっかりだから、管理手順を間違えると、配置した職員が即死したり、そいつらが部屋から脱走してセクションごと壊滅させたりする。
「ローグライク」っていうゲームのジャンルがある。『風来のシレン』みたいに何度もゲームオーバーになって最初からやり直すことが前提の、ゲーム要素がランダム性に強く影響されるゲームのこと。その多くは、ゲームオーバーになるたびリソースの一部を持ち帰ることができて、主人公の拠点を強化することで次回以降のプレイが楽になるシステムだ。名作と名高い『Hades』はこの死に戻り周回をストーリーテリングに活かしたのが特徴。
で、『Lobotomy Corporation』のローグライク要素は、「オブジェクトの選出」と「情報の引き継ぎ」だった。
本作のクリア条件は管理50日目を達成すること。プレイヤーは一日の最初に、ほぼランダムに選出された3体のアブノーマリティから1体を選んで新たに収容する。ポケモンかよ。だが、初見のプレイヤーに提示されるのは「F-04-83」「T-06-27」「F-05-52」みたいな謎のナンバーだけ。知らんがな。
選択したやつは最初は正体不明だけど、吸い出したエネルギーを使って情報を開示できる。そいつの名前がヒトカゲだとか、炎タイプだとか、尻尾の火を消すと死んでしまうだとかが判明するのは、十分な解析を行った後ってことだ。
ポケモンのヒトカゲは尻尾の火が消えたら死んでしまうが、もしこのゲームにヒトカゲみたいなのがいたら尻尾の火を消した職員の方が即死する。さらに収容した部屋を真っ暗にしながら脱走していて、通路の影から影へと移動しながら、無警戒の職員を闇討ちで葬っていくだろう。
ヤバい奴が脱走すると、だいたい施設が半壊してしまう。詰んだら「最初から始める」ボタンを押して1日目に戻るのだけど、アブノーマリティの観測情報は引き継がれるので、次の周回では謎のナンバーが「ヒトカゲ」に変わっている。管理が難しいと感じたら、他の2つを選択すればいい。もっとも、フシギダネとゼニガメの管理がヒトカゲより簡単だという保証はない。
一歩間違えれば皆殺しにされる正体不明のSCPオブジェクトを恐る恐る管理して、情報を少しずつ解明しながら、最新の注意を払ってエネルギーを回収していくシミュレーションゲーム。SCPってこんな感じだよね!という、まさに期待した通りのプレイフィールが得られる代わりに、とんでもなく事故りやすく、気が遠くなるようなリトライ地獄が待っている。
いきなり長々と書いてしまったけど、これは情報量が多い本作の話をするうえで欠かせない前置きなので、今回は勘弁してほしい。酷い目にあった。ああ、そう。このゲームをプレイして正月から本当に酷い目にあったんだ。
つづく
思ったことを書くだけ
ブログを始めてみた。
思ったことをそのまま書く場所がなかったな、と気づいたので。普段はだいたい、人に読ませる文章にするために「考える」工程を挟むんだけど、性格上ネガティブな部分や改善するべき部分を優先的にとらえがちで、ここすき、と思ったものを素直に出力していなかった。
コロナ禍で人とも疎遠になっているし、体調を崩してあまり出歩けなくなっているし、生活の中で気楽に喋るーー頭に浮かんだことを低コストで出力する機会が減っているので、誤字脱字とか日本語の表現とかもろくに考えずに書き散らかしていくんじゃないかな。少なくともこの文章は、脳細胞を1ドットぶんくらいしか働かせずに打ち込んでいる。
ゲームとか映画とか、いやほとんどゲームと映画の話になると思うんだけど、新しく触れたものについて。考える起点にするためにやってるツイッターよりさらに単純なことを書いていく予定です。急に飽きてやめるかもしれないし、三日坊主で終わるかもしれない。
思ったことをすぐに書く都合上、新しいものに対してはネタバレ全開になるはずなので、そこら辺は少し気をつけます。