sai10_sanのブログ

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『DYING LIGHT2』は実家の味噌汁の味


出来のいいオープンワールドは密度が高い。

 

だいたいオープンワールドといえば、マップ上にびっしり表示された「?」マークを順番に回って消していくものだ。ゲームが面白いかどうかは、その「?」マーク巡りの中でどれくらい楽しい体験を提供してくれるかだと思っている。

 

GTA』は車の運転がやけに難しいから面白い。『Cyperpunk 2077』はマップが作り込まれているから、景色が切り替わるのを見ているだけで面白い(もちろん車の運転も難しい)。『Fallout』はあれで意外とマップが狭くて、歩けばすぐに次のロケーションに到達する。

 

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で、『DYING LIGHT』は目的地が遠い。

 

パルクールのアクション性を取り入れたゾンビもの。地上にはゾンビがうようよしてるから、建物の屋根を跳び回って移動するのがセオリー。が、全ての屋根がつながっているわけではない。地上に降りたくても下にはゾンビがいるし、落下ダメージがしっかりあるし、道路が封鎖されていたり障害物があちこち置かれていたり、真っ直ぐスムーズには移動できない。

 

時には回り道のようなルートで屋根を移動することになり、その途中で予定とは違う方角に「?」マークを見つけることが多い。じゃあせっかくだし「?」行くか~と寄り道してゾンビどもを撃退した後に、改めてマップで現在位置を確認すると、当初の目的地から大きく離れた場所に突っ立っていることも、割と多い。たった直線距離300メートルが、まあ遠いゲームなのだ。

 

移動するにも、屋根から屋根へ、壁の突起を掴んでのぼったり、街灯の上を跳び移ったりする。足場になるオブジェクトの確認だったり、スタミナゲージの管理だったり、ジャンプの微調整だったり、やることが結構ある。

 

そういう「移動」の面白さに高低差の工夫を凝らしたうえで、「いつものオープンワールド」の味付けもしっかりしているのが『DYING LIGHT2』だ。いつものオープンワールドっていうのは悪いことじゃない。物資を回収して、アイテムをクラフトして、プレイヤーキャラを強化していくのは手応えのある成功体験の積み重ねだ。『Horizon Zero Dawn』もぶっちゃけグラフィックが綺麗でゾイドみたいな敵が出てくるいつものオープンワールドだし。

 

ビビッとくる独創性はないんだけど、プレイしてると安心するタイプの、普通に楽しいゲーム。久しぶりに『Fallout』タイプのロックピックをやってると、実家の薄味の味噌汁をすすっているような、落ち着いてて安らかな気持ちになれる。ピョンピョンと移動して、ゾンビや野盗と戦いながら物資を獲得して、アイテムを作ったりスキルツリーを強化して、マップを埋める。

 

オープンワールドは癒やしだよ。

 

…こういうこと考えてると、だら~っとした会話だけの時間を抒情的な雰囲気づくりで心地よいものにした『DAYS GONE』は唯一無二のいいゲームだったな、ただし終盤以外はな、って改めて思ったりする。

 

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PS5で遊んでいると画面がチカチカ暗転するけど、この程度を気にしていたらKindle Paperwhite電子書籍は読めません。